フローターマスターズ・トーナメント 2008
2008年7月13日 茨城県・霞ヶ浦(牛堀)

2008年7月11日 茨城県 霞ヶ浦(牛堀)
レポート :M.Fujii

定番となった初夏の霞ヶ浦戦、舞台となった牛堀エリアは常陸利根川と霞ヶ浦が合流する場所に位置し、西は州の野原、北は麻生・天王崎、南は常陸利根川・横利根川と多くの一級ポイントにアクセスできるという好条件のエリアです。FBIでは初となるこの開催地で期待膨らむ中、2008年フローターマスターズトーナメント第5戦が開催されました。
【※今回は従来のルールに加えて横利根川河口以外の水門通過禁止、夜越川、前川などの流入河川は一本目の橋脚まで、アサザエリアとその群生地の釣り禁止、水上スキーコンテストエリア釣り禁止などの制約が設けられました。】


今回の参加人数は22名(内ノンオール艇2名)のエントリー。大会当日は曇り。前日の猛暑の影響もあり水温は30℃前後。前日プラの様子では「シャロー勝負」「暑くなる前ならば、400g程度の魚ならどこでも簡単に釣れる」という声が聞かれ、各選手ともキッカーをいかにして混ぜていくかが勝負の分かれ目となりました。大会当日は暑くなることが予想され、多くの選手は朝一のフィーディングタイムに勝負を賭けていたようです。

結果、参加者の半数がリミットを持ち込み、霞ヶ浦では異例とも言えるリミット達成率50%というなかでの熾烈なウェイト勝負となりました。この状況の中、アフター回復後のバスをストックしている場所を攻略した選手が上位に入り、シャローの徘徊ルート上にあるコンタクトスポットやシャローフラットで浮き気味のバスを狙った選手が比較的グッドコンディションのバスを持ち込みました。

優勝は、1ヶ月前からこの大会に焦点を絞り綿密にプラを繰り返してきた安藤裕一氏がBF賞となった魚を含む3本1990g。安藤氏曰く、「プラでは日が経つにつれサイズは落ちていった。雨が降ると魚が広範囲に散ってむしろ釣りにくくなる。」と事前に話しており、結果、夏のバスが居るであろう、アサザが群生エリアの魚のストック量に目を付け、群生地の近くにある水門、シートパイル、杭などが複合的に構成している場所がビッグフィッシュのコンタクトスポットになると判断し、朝一、ポイントに到着した一投目に1200gのキッカーをキャッチ。その後、護岸のえぐれ部にザリガニが逆さに張り付いているのを何度か見たことで、カバークローのノーシンカーで護岸をランガンし確実にキーパーサイズをキャッチしていきました。
彼が見つけたこのスポットでは「時間をおくと次の魚が入ってくる」とのことで、プラはもちろん、当日も安藤氏の後に入った選手にもビッグフィッシュが釣れたスポットでした。
プラの様子や周囲の話を聞いて、このウェイトで優勝できるとは思っていなかった様子でしたが、他の選手のミスが多かったことも含めて彼の気迫が引き寄せた優勝とも言えるでしょう。

2位は、山形県から参戦している神戸俊郎氏。スタートエリア対岸から天王崎方面に向かいあらゆるポイントをランガン。スモラバを駆使し、とにかく数を釣って大きい魚を選んでいくという戦略で600gアベレージの安定したリミットメイクで3本1730gを持ち込みました。

3位は、現在ポイントリーダーの菊池氏。常陸利根川と横利根川の合流するエリアを中心に、パワーホグのテキサスで丁寧に探る釣りを行い、キッカーを含める3本1670gをウェイインしました。彼はこの時点でこれまでの5戦中、3戦がお立ち台という勢いでさらに独走態勢を築きました。追うは、名古屋から参戦の実力者、川村俊明氏と2度のマスターに輝いた実績を持つ神戸俊郎氏。この後の3戦でどのようなドラマが待っているのかますます目が離せません。

今大会優勝した安藤氏はFBIの代表。代表となってからは優勝から遠ざかっていましたが、今大会は1ヶ月前から入念な準備をして望み、見事、運営とトーナメンターの2足のわらじを両立させました。悲願の優勝、おめでとうございます。

フォトレポート
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ウィニング・パターン & コメント
優勝: 安藤 裕一 氏
  • プラは6日間入り、自分の釣では晴れれば釣れる、と確信してました。メインエリアは牛堀のシャロー。水深1mより浅い場所の杭、シートパイル、ジャカゴ、護岸です。
  • リグはベイトを使ったダウンショット、ガルプのバルキーパワーホッグ、カラーはグリパン。シンカーのリーダーは10cmです。
  • しかし、プラに入るたびにサイズが落ちてるよ〜な気がしましたね。朝一に目指した杭は、水深80cmくらいの水門+シートパイル+あさざ+杭の超ハニースポットです。(注:あさざからは5m以上離れた杭です。念のため)
  • 先にポイント近くに入っていた城川ちゃんに、断りを入れ、一投目で今回のBFになる1200gが喰ってくれた。朝一でこの魚は気分がいい。しかし、昼間の気温が30℃になるこの季節は、ライブウェルの魚に最大の注意をはらいながらの釣りになりました。
  • 2本目、3本目はキーパーギリギリの魚で、ジャカゴにカバークローのノーシンカーフォーリングでキャッチ。
  • リミットは揃ったが、マメ2本を何とか入れ替えたい所でした。立場上、ウェイイン時間の前に帰着しないといけなかった為に、このエリアを後にして帰りながらシートパイルや杭を打って行く。11時半ころに到着したドックの外壁で、カバークローに待望のバイト!魚が見えるまでは「あちゃーキャットか?」と思ったが、ナイスキーパーで1本目のマメを入れ替成功!
  • しかし、ここで時間切れ。皆さん魚は釣って来ると思い、残ったマメがいたから、優勝はムリと諦めてましたが、霞ヶ浦の女神は俺に微笑んでくれました。副代表のリリースが無ければ・・・、城川ちゃんのデッドが無ければ・・・俺の優勝は無かったです。試合前から、メンバー二人に、「霞の帝王の座を狙ってます」な〜んて言われてて、気合倍増でした。霞の帝王の座、防衛成功?暑い中、皆さんお疲れ様でした。
2位: 神戸 俊郎 氏
  • プラは前日と前前日の2日間。シャローの護岸、ドッグ、ジャカゴ、リップラップ等を打つとあまりに簡単に魚が釣れるコンディション・・・当日は数だけは釣る自信がありました。ただし、サイズは?で、500g位の魚が中心でした。リップラップや護岸のように単発では無いストラクチャーでは安定した数釣り、単発の杭や水門周りに何か絡んだような場所からはサイズが狙える感じでした。

  • 場所はスタートエリア対岸から天王崎方面へ流していくプランでした。特に、麻生のあさざがあるエリアには魚が多くストックされている感じがあり、本命にしていました。あさざを直接打つことは禁止だったのですが、あさざが沖にあると、その岸のストラクチャー周りも良いエリアになっているようでした。

  • スタート直後から、麻生まで打ちつづけ、結局12本のキーパーを釣りました。入れ替えも数回重ねましたが、キッカーはまったく入らず、桧原湖のような入れ替えの連続・・・計画していた単発のストラクチャーは人が多く入るとあっという間に叩かれて終わってしまう感じでした。ま、ある意味あたりまえですね・・・当日はF.B.I.の他にチャプターも開催されていましたし。

  • 釣り方は、ケムケムのフォーリング。同じところに何回も打ち直して、しつこいほどに細かいピッチで打ちました。特に、ドッグの先端角のような部分は、30cmくらいの場所に10回くらい投げた所でバイトしてくることもありました。また、底につけてからは時間を使わずに、スパスパと打ちました。兎に角、打つ回数を伸ばすことが数を伸ばすキモだったようです。

3位: 菊地 昭彦 氏
  • 釣りをしていた場所はスタート地点から右岸側、横利根までのアシ際と橋脚で、4バイト3キャッチ。
    1本目は橋脚周りで1/8gテキサス(バルキーパワーホッグ3in/ブラック ウォーターメロン)のズル引き(最大魚)。2本目と3本目はアシ際のシェードで、同じくテキサスでした。

  • 安藤さん、大会運営する中での優勝、やりましたね〜おめでとうございます!