2008年9月28日 山梨県 山中湖
レポート :T.Kawamura
とうとう迎えた2008年フローターマスターズトーナメント最終戦。フローターマスターが決定するその運命の1戦は、F.B.I.初開催となる山梨県 山中湖にて開催されました。
初開催のフィールドということもあり何人もの選手が精力的にプラを行いましたが、皆が口を揃えて言うには「全く釣れない」とのこと。あまりの釣れなさに、プラをそっちのけでワカサギ釣りに行く選手も(笑)。ボート屋の釣果情報等を見てもかなり厳しい状況で、1本の魚が勝敗を決めるかなり厳しい大会になると思われました。その状況が一変したのは大会開催直前の9月24日。漁協が山中湖の3つのエリアでバスの放流を行ったという情報が舞い込んできました。大会前日、前々日にプラに入った選手の中には30本以上の放流バスをキャッチする選手もおり、放流前とは完全に別の湖となっていました。
大会のスタートエリアは山中湖西岸の山中エリア。放流ポイントが非常に近かったため大会前日の土曜日にはスタートエリア近辺にレンタルボート船団ができており、大会当日はかなりハイプレッシャーな状況が予想されました。船団の中でウェイト300〜600gの放流バスをまとめるのか、はたまた釣れれば40アップと言われるネイティブバスを狙いにいくのか・・選手達はそれぞれの作戦を胸に秘め、大会当日を迎えました。
大会当日の天気は曇りで、大会当日の朝は厳しい冷え込みとなりました。水温は20〜22℃。参加人数は19名で、ノンオール艇が1名、オール艇が18名のエントリー。日曜日の観光地ということもあり、観光船、水上レジャーや他の釣りボート等で魚へのプレッシャーが高まる中、結果的にキッカーとなるネイティブのバスはウェイインされなかったものの選手達は確実に放流バスをキャッチし、19名中16名がウェイインするという高キャッチ率の大会となりました。中でも放流バスが反応しやすい泳層を見極め、表層〜中層を集中的に攻めた選手が上位入賞する結果となりました。
優勝は、名古屋から参戦している川村俊明氏(私です)。ウェイトは3本で2010g。スタートエリア前の水深1〜2.5mのウィードエリアで放流バスを狙い、入れ替えを重ねて今大会のビッグフィッシュ850gを含むリミットを揃えました。ルアーは全てARジグヘッド1/16oz+カットテール4インチの中層スイミング。朝は1m以浅のシャローを、プレッシャーが高まるにつれて除々にレンジを深くして攻めました。勝因は、アツアツカップル達のスワンボートに囲まれながらも冷静に放流バスを釣り続けた鋼の精神力です。
2位は、F.B.I.の副代表を務める藤井将之氏。ウェイトは3本で1930g。スタートエリア前及び山中湖南岸砂の岬、水深2〜3mのウイードエリアで浮き気味の魚をバイブレーション、ミノー、スモラバのスイミングで攻めて入れ替えを重ね、安定したウェイトを持ち込んだ。今大会の直前にBasserの表紙&巻頭カラーを飾った藤井氏。「カッコ悪いところは見せられない」という重圧の中、当然のようにお立ち台をゲットするところはさすが。今年は全戦出場し、全ての大会で魚を持ち込むすばらしい安定感を見せた。
3位は、低水温期に強さを見せる内藤臣氏。ウェイトは3本で1860g。片道4km以上ある平野エリアまで漕ぎ、水深2m前後のウィードエリアをスイングインパクトの中層スイミングで攻めナイスキーパーを揃えた。F.B.I.の中でも酒好きで有名な内藤氏。大会前日の夜も酒を飲んでいた内藤氏に「ウコンの力は飲みました?」と問いかけると、内藤氏はこう答えた。「今日は、自分のチカラで頑張ります」あの時の言葉はこのことだったのでしょうか・・「自分のチカラ」で3位入賞、お見事でした。
この山中湖戦で2008年フローターマスターズトーナメントのレギュラートーナメントが終了しました。参加者の皆さん、本当にお疲れ様でした。
ポイント集計の結果、2008年度のフローターマスターの栄冠に輝いたのは山形から参加している神戸俊郎氏でした。おめでとうございました!神戸氏は今年、4戦目の桧原湖戦で優勝し、それ以降、平均順位2.4位という驚異的な強さを見せ、2003年、2004年に続く自身3度目のフローターマスターを獲得しました。3度のマスター獲得はF.B.I.歴代最多記録です。そして、名実共にF.B.I.最強のトーナメンターとなった神戸氏が今年のフローターマスターズクラシックの舞台として選んだのは福島県 桧原湖。クラシックの開催日は2008年10月19日(日)、厳しい寒さが予想されるこの時期の桧原湖で、今年の年間ランキング上位陣がクラシックチャンピオンの栄冠をかけて争います。どのような戦いが繰り広げられるのか、今から楽しみでなりません。 |